「小さな職人さん 見習いさん編」
キットの鉄板３種類を手に、子どもらへの好評を喜ぶ森本さん（東大阪市高井田中で）子どもたちにものづくりの楽しさを知ってもらおうと、大阪府東大阪市高井田中の精密板金加工会社「ワイ・エム・シートメタル」が、小さな鉄板を組み立てて小物を手作りするキット「小さな職人さん 見習いさん編」を商品開発。サイコロ、ペンスタンドや貯金箱の３種類があり、子どもたちから「道具の使い方を工夫して完成させるのが面白い」と人気を集めている。
同社専務の森本孝富さん（３７）は、製造業で中国やインド、ブラジルなどの新興国が追い上げ、日本企業も工場の海外移転を進める現状に、「日本のものづくりがだめになる」と危機感を募らせていた。
昨年９月、小学６年生だった次男が、５年前にアルミ板で作った貯金箱を補修しながら使い続けている姿を見て「子どもは手作りが好き。材料を与えたら興味を持つ」と思い立った。
鉄板（縦２８センチ、横１９センチ、３００グラム）を切り目に沿ってニッパーで切り、やすりで角をとぎ、ハンマーで曲げ、ネジを回したりツメをかみ合わせたりして組み立てる仕組み。
どれも税込み１９８０円。４月末からインターネットのショッピングサイトと東大阪物産観光まちづくりセンター「めっけもんもうけもん まいど！東大阪」（東大阪市東石切町）で販売を始めたところ、「孫と作りたい」などの問い合わせが相次ぎ、約２００個売れたという。同社は今後、難易度を上げた「課長さん編」「部長さん編」「工場長編」などを販売する予定。
森本さんは「道具を使ってものを作る楽しさを知り、将来、職人を目指す子どもが１人でもでてくればうれしい」と話している。問い合わせは同社（０６・６７８４・７８９８）。
（2011年5月25日 読売新聞）
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